男女の切ない恋愛ストーリーを描いた『汝、星のごとく』
一番最後の終わり方がまるで、この小説自体を櫂が書いたかのような終わり方でしたね。
この記事では、以下のことを徹底考察します。
- 『汝、星のごとく』は、櫂(かい)が書いたのか
- 櫂の浮気や最後について
- ストーリーについて

ユク
読後の思いを共有しましょう!
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『汝星のごとく』は櫂が書いたのかを考察

結論から言うと個人的には、実際の小説『汝、星のごとく』は櫂が書いたものではないと思います。
理由は、”暁海(あきみ)視点”のストーリーも小説内では描かれていたから。
櫂の知りえない内容もたくさんありました。
そのため、実際に僕たちが読んだ小説の内容は、櫂が書いた内容ではないと思います。
タイトルに込められた意味
櫂が書いた小説のタイトル『汝、星のごとく』
内容は小説内では描かれていませんが、おそらく僕たちが読んだ内容を櫂目線で描いた内容なのだと思います。

ユク
そのタイトルに込められた意味は何だったのでしょう?
汝→あなた
星のごとく→星のようだ
「あなた」はもちろん、暁海のことですよね。直訳すれば「あなた(暁海)は、星のようだ」
”夕星(ゆうづつ)やな”
暁海と離れ離れになる前に、夕暮れの空を見ながら、十七歳の時の櫂が言った言葉です。
夕星(ゆうづつ)という言葉を知らなかった暁海に、櫂は「一番星。宵の明星。金星」と説明しました。
櫂にとっては、暁海は夕星のような存在だったのでしょう。
そんな想いから『汝、星のごとく』(あなたは星のようだ)というタイトルをつけたのではないでしょうか。
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櫂の浮気や最後について考察

櫂の浮気
最初の浮気は東京に来て4年目。酒の勢いでした。どんな流れでそうなったのかすらハッキリ覚えてはいないありさま。
そして、その女性とズルズルと関係を続けた。さらにアシスタントや数名の女性と浮気を繰り返しました。
東京に来て東京に染まり、漫画も順調にヒットしているという、心の余裕と油断から、浮気をしてしまったのでしょう。
また、櫂自身の心のスキマを埋めるためだったのだと思います。
櫂の浮気に気付きながらも関係を断ち切れなかった暁海
一方、暁海も櫂の浮気に気付いていましたね。
ある日、櫂の自宅に行った時、シュシュを見つけたのでわざと、自分の髪をくくったけど、櫂はそのことにすら気づいていませんでした。
そして、別れ話になる怖さから浮気を責めることもできず。
櫂の浮気に気付きながらも、容認してしまった自分を「浮気の共犯者」とまで感じていました。

ユク
暁海の心を思うと、キュッと胸が締め付けられますね。
暁海が何よりもショックだったのは、”あぁはなりたくない”と思っていた自分の母親と同じような状況になっていたこと。
- 自分で自分を養う力がない不自由さ
- 自分の生活基盤を夫という他人ににぎられている不安定さ
- その他人にある日、突然去っていくかもしれないという危うさ。
櫂との関係が、母親と同じようになっていた自分。
その自分の無力さに打ちひしがれていました。

ユク
読んでいてとても切ない気持ちになりましたね。
最後、死ぬ間際の櫂
櫂は死ぬ間際、最後に暁海と花火を見ることができました。
高校生の頃は、行為に夢中になり、見られなかった花火。
そして、大人になってからはプロポーズしようとしたホテルで、暁海と喧嘩になり、見られなかった花火。
そんな花火を最後、力尽きる直前まで暁海と手を握り見ることができた櫂は、とても幸せだったのだと思います。
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櫂や暁海の共通点を考察

ヤングケアラーだった2人
櫂も暁海もヤングケアラーでした。
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものこと。
引用:日本ケアラー連盟
男にだらしなく、振られるたびに不安定になり、そんな母親をサポートしなければならなかった櫂。
夫に不倫され裏切られたことで、精神的に不安なった母を精神的に支えた暁海。
幼少期のこういった環境が、大人になってからも2人の心に大きく影響していたものと思われます。
母親に振り回される2人
大人になってからも2人は、母親から振り回されることが幾度もありましたね。
相変わらず男がいないと生きていけない櫂の母親は、マンガ家として成功した櫂に金をせがむことが多々ありました。
暁海は父と離婚した母親のために、東京の大学に行きたいという、気持ちを押し殺し島に残ることを決めました。
本当なら見捨てたい。だけど血のつながった親子という鎖を2人とも断ち切ることはできませんでした。
人は誰も未熟なまま子育てを始めますが、未熟すぎる親と過ごさないといけないのは、とても辛いものです。
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ストーリーを考察

リアルに描かれる恋愛模様
高校生の頃に付き合い始めた、櫂と暁海。
お互いの共通する家庭環境もあり、打ち解け楽しい時間を過ごし、時に互いを支えあいながら過ごした高校時代。
東京での生活に染まっていく櫂と、島での生活を続ける暁海。
お盆休みに4年ぶりに島に戻ってきた櫂は、暁海との会話を退屈に感じるようになります。
また、暁海も櫂との格差を感じるようになり、心の距離を置くように。
暁海が何よりもショックだったのは、櫂が暁海との会話中にあくびをかみ殺していたこと。
”いつもそこにあって、たまに帰って安らいで、ずっといると退屈してしまう田舎”
櫂にとって暁海は、”そんな存在”になってしまったことが悲しかったのでしょう。

ユク
2人の微妙な気持ちのすれ違いが、絶妙に描かれていましたね。
根深く残る社会の女性軽視
高校卒業後、櫂は漫画家を目指し東京へ行き、暁海は今治の内装資材を扱う会社に勤めだします。
そこで女性の社会軽視を目の当たりにしました。
昭和のような世界観に感じますが、実際に現代社会にも似たようなことがありますよね。
『汝、星のごとく』では、暁海を通じて、女性軽視の社会をリアルに描き出しています。
ジェンダーレス問題
櫂と一緒に漫画を作っていた尚人(なおと)はゲイでした。
今はだいぶ、ジェンダーレスの問題も社会的に受け入れられてきましたが、やはり当人はそれを告白する時、勇気が必要ですよね。
理解してくれる人もいれば、いまだ差別的な目線で見る人もいます。
小説内では、そんな繊細な内容にもふれていました。
ネット社会の怖さ
尚人の未成年とのスキャンダルによって、櫂と尚人の漫画連載は打ち切りへと追い込まれます。
ネットでは、表に出ている本当か分からない”薄っぺらい情報”だけで、色々な人が色々なことを勝手に発言していく。
それは、真実ではなく、本当のことは当事者たちしか知らない。
一度、火が付いたら止まることなく、すべてを焼きつくしてしまいます。
最終的に尚人は自ら命を絶ちました。
小説の中の話ですが、実際に現代社会で起こっている問題ですね。
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『汝星のごとく』Q&A
- 小説内に名言ってある?
- 続編は?
- 映画化は?
- つまらないって本当?
小説内に名言ってある?
- お金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。
- たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。
- ねえ暁海ちゃん、いざってときは、誰になんて言われようと好きなことをしなさいね。怖いのは、えいって飛び越えるその一瞬だけよ。飛び越えたら、あとはもう自由なの。
- いかなるときも、瞳子さんの中心は瞳子さん自身だ。
- いつだって核心は言葉の届かない深い場所にある。長い遠距離恋愛は相当に心を摩耗させた。
- 年齢のわりに、きみたちは理性的すぎます。もう少し身勝手でもいいんですよ。
続編は?
『汝、星のごとく』に続編はあります。
『星を編む』という小説が続編になっており、講談社より2023年11月8日に発売されていますよ。
凪良ゆうさんの作品には、『流浪の月』もあります。こちらもめちゃくちゃ面白いので、ぜひ読んでみてください。
映画化は?
『汝、星のごとく』は映画化が決定しています。
横浜流星さん、広瀬すずさん主演で2026年に公開予定です。
参考サイト:映画.com
つまらないって本当?
個人的には、めちゃくちゃ面白かったです。
特に2人の恋愛模様には引き込まれました。
共感できる部分もたくさんあるので、まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
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『汝、星のごとく』オーディブルで追加料金なしで聴ける
小説『汝、星のごとく』はオーディブルで聴くことができます。
僕自身、オーディブル でも『汝、星のごとく』を聴きました。
そのため、リラックスした状態で目や脳が疲れることなく聴けますよ。
プロの方が読んでくれるので、読書とはまた違った感覚を楽しめます!聴きごたえがあるので、ぜひ聴いてみてもらいたいです。
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聴き放題本数 | 90万本 |
月額料金 | 1,500円(税込) |
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お試し期間 | 初めての入会で、30日間無料 (無料期間内に解約すれば、月額料金はかからない) |

ユク
ソファに身をゆだねてオーディブルを聴けば、リラックスした優雅な時間が流れるのを感じられます。
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『汝星のごとく』は櫂が書いたのか:考察まとめ
『汝、星のごとく』は櫂が書いたのかについて考察しました。
結論、『汝、星のごとく』は櫂が書いたものではないと思います。
また、ストーリー自体は、切なく感動的な最後でした。
心のスキマを埋めるために浮気を繰り返した櫂。
浮気に気付きながらも責めることのできない暁海。
最後は櫂の病気が明らかになり、一緒に花火を見ることができましたね。
櫂の書いた『汝、星のごとく』
暁海への想いが綴られた1冊になっているのだと思います。
いろんな人が様々な「痛み」を抱えながら懸命に生きている。そんな想いが伝わってくる小説でした。
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