ネタバレを含みます。内容を知りたくない人は読まないでください。

雨穴氏による「変な」シリーズの集大成として注目を集める『変な地図』

主役は「変な家」や「変な絵」など全シリーズに登場する栗原さんです。

この記事では、以下のことが分かります。

この記事で分かること
  • 変な地図の相関図・時系列
  • 古地図の妖怪の正体
  • 結末についての考察
  • 犯人についての考察

ユク

疑読了後の疑問をすっきり解消したい方は、ぜひ最後まで読んでください。

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『変な地図』登場人物・相関図・時系列

変な地図 登場人物 相関図 時系列

まず物語の全体像を把握するために、登場人物と相関図を整理します。

登場人物

名前年齢・属性説明
栗原文宣(くりはら ふみのぶ)22歳・大学4年生本作の主人公。建築学を専攻。就職活動の最中、祖母の不審死と古地図の謎を追ってR県へ旅に出る
帆石水あかり(ほいしみず あかり)24歳・警察官ヒロイン。R県警の新人警察官で、実家は民宿「帆石水亭」を経営。栗原の調査に協力する
栗原知嘉子(くりはら ちかこ)故人・栗原の祖母元測量士。引退後は大学で測量学の教授を務めた。正体不明の古地図を握りしめたまま不審死した
沖上喜見子(おきがみ きみこ)河蒼湖集落の女性物語の謎を解く重要な手記を残した人物。知嘉子との深い関わりがある
大里幸助(おおさと こうすけ)矢比津鉄道の社長矢比津鉄道の経営トップ。物語の核心に関わる事件に巻き込まれる
矢比津啓徳(やひつ ひろのり)矢比津鉄道の会長大里社長の上位に立つ鉄道会長。大里と対立関係にある
帆石水永作(ほいしみず えいさく)民宿の経営者あかりの父親。旅館「帆石水亭」の主人
女将民宿の女将あかりの母親。旅館「帆石水亭」を切り盛りする

相関図

変な地図 相関図

栗原と女将は遠縁の関係にあります

栗原の祖母・知嘉子と、女将の祖母・喜見子が姉妹だったためです。
物語の謎を解いていくうちに、探偵役の栗原が実は事件の中心にいる家系と血でつながっていたという驚きの事実が浮かび上がります。

変な地図:時系列(おおまかな流れ)

時代出来事
戦前(1930年代)留学生・ジュンが河蒼湖集落を訪問。
地形・地質調査を行う。
喜見子と関わりを持つ。
戦前知嘉子・母・集落の女性たちが協力し、「古地図」を制作。
知嘉子が集落から脱出。
約75年前(1940年頃)喜見子が偽の三角点を作り、矢比津鉄道の工事を狂わせ、意図的に落盤事故を引き起こす。
多くの男性が死亡。国が事故を隠蔽。
現代(2015年より前)知嘉子が晩年、喜見子の手記を発見。
自らの行動が集落の悲劇を招いたことを知り、古地図を握りしめたまま自殺。
2015年より前栗原の母が知嘉子の死の謎と古地図を調査するも、未完成のまま他界。
2015年(現在)大学生の栗原が祖母の調査記録と古地図を発見。
R県へ旅立つ。
2015年(現在)大里社長が矢比津会長の指示により、帆石水永作に殺害される
2015年(現在)栗原とあかりが事件を調査。
すべての真相が明らかになる。

変な地図:画像

画像引用:双葉社公式サイト

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『変な地図』妖怪の正体

変な地図 妖怪 正体

結論から言うと、変な地図に描かれた7体の妖怪の正体は、「花」を表しています。

実は妖怪の絵は、知嘉子が「魔に襲われた」ように男性たちに信じ込ませるためのカムフラージュです。

カムフラージュした理由は、知嘉子を無事に集落から脱出させるためです。

それぞれの妖怪は、以下の花を表しています。

画像引用:双葉社公式サイト

集落の女性たちは、頭の良い知嘉子を、この集落から脱出させる計画を立てます。

ただし、普通に逃がしただけでは、すぐに連れ戻されてしまう。

そのため、男性たちが妖怪の存在を恐れて警戒している隙に、知嘉子が集落を脱出できるよう「壮大な劇」演出しました。
古地図はその脱出のために作られた小道具です。

古地図は、知嘉子たち集落の女性が作ったものですが、男性たちは古くから伝わる古地図だと信じ、恐怖を感じていました。

しかし実際は、妖怪に見えるもののうち、一部は母が山道に植えた花を描いたもの

山道は険しく道が分かりづらいので、知嘉子の逃走ルートの目印として、母が山道に花を植えたのです。

古地図は男性には「呪いの地図」に、
知嘉子には「逃げ道の地図」に見えるよう設計されていました。

まとめると、7体の妖怪の正体は次の通りです。

見た目実際の意味
妖怪のように見える絵集落の男性たちをだますためのカムフラージュ
妖怪に混じった花の絵母が山に植えた花=逃走ルートを示す目印
背を向けた女性の絵集落から逃げていく知嘉子自身を表す

古地図は実は、古地図ではなかった

上記で解説した通り、変な地図は古くから伝わる古地図ではなく、知嘉子たち集落の女性たちが作ったものです。

地図は紅茶を使ったエイジング加工(古く色あせて見える処理)が施されていて、意図的に「昔から存在していた古い地図」に見えるよう細工されていました。

つまりこの地図は、知嘉子を集落から脱出させるために、意図的に作られた偽の古地図だったのです。

古地図を作ったのは誰だったのか

古地図を作ったのは、栗原の祖母・知嘉子とその母、そして河蒼湖集落の女性たちです。

当時、河蒼湖集落の女性たちは男性たちに支配され、過酷な労働を強いられていました。

そんな中、知嘉子の母たちは娘・知嘉子を集落から逃がすため、秘密裏にこの地図を作り上げました。

地図は集落の女性たちが「秘密基地」のような場所に集まり、仲間と協力しながら仕上げた、いわば希望の地図でした。

古地図が作られた本当の理由

古地図が作られた本当の理由は、知嘉子を集落から逃がすためです。

地図には、知嘉子が母娘山を抜けて国道へ出るための逃走ルートが隠されていました。

知嘉子の母は実際に山へ花の種を植えて目印を作り、その花の絵を妖怪の絵に巧みに混ぜ込みました

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『変な地図』結末を考察

変な地図 結末

物語の結末は、あかりの母が矢比津会長を殺害しようとした罪で捕まったため、ハッピーエンドではありませんでしたね。

しかし、そのことで矢比津会長の罪も明るみになったので、よかった部分もあります。

そして、物語の最後で栗原は重大なことに気付きます。

それは、変な地図は実は楽しみながら作られていたのではないかということ。

栗原の中では、集落の女性たちが虐げられた暮らしを抜け出すために必死の想いで作られたものだと思っていましたが、実は地図を作る時間は女性たちにとって楽しい時間だった。

この苦しみの中から抜け出す希望に満ちた時間だったのだと、栗原は考察しました。

考察:栗原のその後

物語の最後は、栗原が就職試験に向かう所で終わります。

栗原が就職試験に受かったのかは、描かれていません。

ユク

個人的には、栗原は就職試験に受かったのではないかな、と思います。

この事件を通して、栗原自身の過去のトラウマも克服し、少し素直になった部分もあると思うからです。

ただし、栗原の性格上、試験に受かっても会社員生活は長続きはしないのかな、とも思います。

考察:知嘉子

栗原の祖母・知嘉子は、若い頃に河蒼湖集落を脱出し、東京で新しい人生を歩んだ女性です。

元測量士として働き、のちに大学の測量学教授を務めた人物でもあります。

活発でご飯会なども主催していた彼女が、なぜ晩年に突然自殺したのか——これが物語の出発点となる最大の謎です。

知嘉子が自殺した理由

知嘉子が自殺した理由は、「自分が引き起こした連鎖が、妹・喜見子を大きな罪に走らせた」という事実を知ったからです。

知嘉子は晩年、女将が湖隠集落の秘密基地に隠していた妹・喜見子の手記を発見しました。

その手記には衝撃的な事実が記されていました。

「自分(喜見子)が意図的に落盤事故を引き起こし、集落の多くの男性を死に至らしめた」

知嘉子が古地図を使って脱出したことで、集落の女性たちの状況は悪化しました。

その怒りと絶望を爆発させた喜見子が、偽の三角点を使って矢比津鉄道の工事を狂わせ、落盤事故を引き起こしたのです。

「自分が逃げ出したことが、めぐりめぐって集落の悲劇と妹の罪を生んだ」——その事実に打ちのめされた知嘉子は、古地図を持ったまま、自ら命を絶ちました。

知嘉子が変な地図を持ったまま自殺した理由

知嘉子は、古地図を持ったまま、自ら命を絶ちました。

栗原は、なぜ祖母(知嘉子)は、古地図を持ったまま死んだのか、を疑問に思っていました。

しかし、考察する途中で気づいたのです。

祖母(知嘉子)は、古地図に希望を宿し、楽しみながら作っていたのではないか、ということに。

そのため、楽しい思い出(古地図)を抱きながら、死にたかったのではないか、と栗原は考察しました。

考察:喜見子

沖上喜見子は、知嘉子の妹で、手記によって真実を後世に伝えた人物です。

知嘉子が集落を脱出した後も集落に残った喜見子は、女性たちが男性に虐げられる日々を送り続けました。

そんな中、1937年に地形・地質調査でやってきた留学生・ジュンと出会い、深い関わりを持ちます。

やがて喜見子は限界を超え、偽の三角点を作ることで矢比津鉄道の工事を狂わせ、意図的に落盤事故を引き起こします

この事故によって集落の多くの男性が亡くなり、女性たちは男性の支配から解放されることになりました。

しかしその一方で、落盤事故は国によって隠蔽され、多くの人命が犠牲になるという重大な罪でもありました。

喜見子はその事実を手記に記し、後世に伝えました。

考察:ジュン

ジュンは、1937年に母娘山のトンネル建設の可能性を調べるため、地形・地質調査で河蒼湖集落を訪れた留学生です。

作中でも「思惑が読めない人物」として描かれており、大学卒業後も帰国せず日本に残り、再び母娘山に戻ってきたとされています。

当時の戦争情勢(日中戦争・国家総動員法)を考えると、とても不自然な行動で、「学者としての好奇心」以外の動機は作中では明示されていません。

喜見子の手記には「私が彼を殺してしまったのです」という記述があります。

しかし、落盤事故でジュンが本当に死んだかどうかは確認できないとされており、栗原も最終章でその真偽には確証が持てないと語っています。

ジュンの生死と真の目的は、変な地図における最大の「謎として残された要素」のひとつです。

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『変な地図』犯人を考察

変な地図 犯人

『変な地図』では、罪を犯した犯人が3人します。

『変な地図』犯人
  • 黒幕:矢比津会長
  • 大里社長を殺した犯人:あかりの父
  • 矢比津会長を襲った犯人:あかりの母

この3人について、考察していきます。

黒幕:矢比津会長

変な地図における黒幕は、矢比津鉄道の会長・矢比津啓徳です。

啓徳の父・剛堂は矢比津鉄道を設立した人物であり、かつての落盤事故の秘密を息子に伝えていました。
啓徳は75年前の落盤事故が露見することを恐れ、開発を強行しようとしていた大里社長を「排除」する計画を立てます。

矢比津会長が大里社長の殺害を決意した理由は以下の通りです。

  • 大里社長が河蒼湖集落跡地の観光開発を強行しようとしていた
  • 開発が進めば、約75年前に国が隠蔽した落盤事故の証拠が発掘・発覚するリスクがあった
  • 落盤事故が露見すれば、矢比津鉄道と一族の存続に関わる

矢比津会長はこの秘密を守るために、帆石水永作(あかりの父)に大里社長の殺害を依頼しました。

大里社長を殺した犯人:あかりの父

大里幸助社長を実際に殺害した犯人は、帆石水永作(帆石水あかりの父)です。

殺害のトリック

犯行は「電車による人身事故」に見せかけた巧妙なトリックで実行されました。

① 髪の毛で非常口を故障させる 
永作はあらかじめ、トンネル内の第1・第2非常口に髪の毛を詰め込んで故障させました。これにより、大里が非常口から脱出できる選択肢を第3非常口だけに絞ります。

② アラームで大里を誘導する 
就寝中だった大里をアラームで起こし、電車が通過するトンネル内の第3非常口へ向かうよう仕向けました

③ 電車に轢かせて事故死に見せかける 
第3非常口の位置は、電車が通過するタイミングで大里が轢かれるよう計算されていました。こうして大里社長の死は「不可解な人身事故」として処理されました。

栗原はこのトリックを鮮やかに看破し、あかりに伝えます。

「あかりの父は、髪の毛によって第1・2非常口を故障させており、アラームで大里を起こして、第3非常口まで歩かせた。」

その後、帆石水永作(帆石水あかりの父)は事故に見せかけた自殺を図りますが、未遂に終わります。

矢比津会長を襲った犯人:あかりの母

矢比津会長を殺害しようとしたのは、帆石水亭の女将(帆石水あかりの母)です。

結末近く、栗原とあかりは湖隠集落に向かい、布に包まれた人物と包丁を持った黒コートの人物を発見します。

その黒コートの人物こそが女将でした。

女将がなぜ矢比津会長を襲ったのか——それは矢比津会長から「この宿を買い取って、お前を妾(めかけ)にしてやってもいいぞ」と言われたことがキッカケでした。

その言葉を言われた時に女将は、”この宿(帆石水亭)と宿を守ってきたあの人(女将の夫の帆石水永作)を侮辱された気がした”と言っています。

夫への愛情、そして夫婦で守ってきた宿への愛着が強かったからこそ、矢比津会長の一言に激しい憎悪の感情が生まれ、犯行に至ってしまったのでしょう。

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『変な地図』考察:まとめ

『変な地図』の妖怪の正体や、結末・犯人について考察しました。

記事の内容をまとめると、以下の通りです。

疑問答え
古地図の正体は?知嘉子を集落から逃がすため、母・集落の女性たちが作った脱出用の暗号地図
妖怪7体の正体は?男性をだますカムフラージュ+逃走ルートの花(目印)を混ぜた絵
知嘉子の自殺の理由は?妹・喜見子が落盤事故を引き起こした罪を知り、自分の逃亡が連鎖の元凶だったと悟ったため
ジュンとは誰?1937年に地質調査で集落を訪れた留学生。喜見子と深い関わりを持つが、生死は不明
黒幕は誰?矢比津鉄道の会長・矢比津啓徳。落盤事故の隠蔽のために大里社長を殺害指示
大里社長を殺した犯人は?帆石水永作(あかりの父)。髪の毛とアラームを使ったトリックで事故死に見せかけた
矢比津会長を襲ったのは?帆石水亭の女将(あかりの母・喜見子の孫)。怨恨と夫への愛情から

雨穴が「異形が書く王道小説」と語った小説『変な地図』は、ホラーやミステリーの枠を超えた、深い人間ドラマでもありました。

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