ネタバレを含みます。内容を知りたくない人は読まないください。

小説・映画『罪の声』は、実際の「グリコ・森永事件」をモチーフにした重厚なミステリー作品です。

この記事では”生島は、なぜ殺されたのか?””キツネ目の男どうなったのか?”を中心にネタバレ解説します。

曖昧に感じていた部分がクリアになり、『罪の声』の世界をより味わえるはずです!

ユク

僕は、小説も読み、オーディブルでも聴き、映画も観ました!

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『罪の声』生島はなぜ殺された?

罪の声 生島 なぜ殺された

結論から言うと、小説『罪の声』における生島秀樹の死は、事件の目的をめぐる犯人グループ内部の対立によって引き起こされました。

対立の理由は、当初、約束していた取り分をもらえなかったから。

具体的に見ていきましょう。

生島が殺されるまでの流れ

事件の首謀者である生島と曽根達雄は、「警察や大企業に一発食らわせる」という共通の反体制的な思想のもと、主に株価操作で利益を上げるという計画を立てました。

しかし、この計画に金銭目的の経済ヤクザ、青木組が加わったことで、事態は大きく動きます。

青木組は株価操作のような地道な方法ではなく、直接的な現金強奪を主張し、生島たちと対立を深めていきました。

また、当初、奪った現金の取り分は、一人七千五百万~二億円はもらえるという話でしたが、青木は理由をつけて三百万円しか生島たちに渡しませんでした。

生島は青木に抗議しますが、ホープ食品から一億円奪い、それを渡すという話を青木がもちかけます。

最初の取り分よりは減ってしまいますが、借金があり金が必要な生島はその話に同意しました。

そして、ホープ食品から一億円を強奪する計画を話すために、生島は一人で青木の事務所へと向かい、そこで殺されました。

小説内では、生島が殺された理由ははっきりと記載はされていませんが、おそらく青木たちにとって、反抗的な態度を取る生島が邪魔になったものと思われます。

生島秀樹がたどった人生

生島秀樹は、滋賀県警本部の暴対の刑事をしていました。

しかし、ヤクザに情報を漏らし金を受け取っていたという疑いをかけられ、退職されせられます。

生島は柔道の重量級くらいの大きな体をしていて、「何かしでかしそう」という危険な雰囲気を持っていた男です。

生島と曽根達雄の関係性

生島秀樹と曽根達雄の関係は、地元の柔道教室の先輩後輩という関係でした。生島が先輩で曽根が後輩です。年齢は9~10歳ほど離れています。

生島と青木の関係性

生島の妻、千代子の父が仕事上で青木と付き合いがあり、生島が刑事時代に青木と情報交換をしていた。

生島は警察を首になった後、警備会社に勤めるなどします。

生島は闇の世界でのし上がるために、金を欲します。

しかし、思うように金は手に入らずに、焦りを募らせる。

その後、当時ロンドンに住んでいた曽根達雄に「金持ちの一発かまそう」と持ち掛けます。

そして、生島、曽根、青木たちは世間を震撼させる「ギン萬事件」などを起こしました。

しかし、生島には思うような金が入ってこずに、青木と対立し、殺されてしまいました。

ユク

生島自身の人生も波瀾万丈でしたが、巻き込まれた家族も波乱万丈な人生を送ることになってしまいましたね。

『罪の声』キツネ目の男はどうなった?

罪の声 キツネ目の男 どうなった

結論から言うと、小説『罪の声』では、キツネ目の男のその後の明確な消息は描かれていません。

キツネ目の男は謎な部分が多い設定です。

分かっているのは、以下の点。

  • 名前をタカシと名乗っていた
  • 生島の娘、望が逃げた出した時に追いかけ死に追いやった
  • 姉の死を見た聡一郎に対して、腹を殴り「静かに暮らせ。お母ちゃんも死ぬで」と脅した

ユク

謎も多い人物ですが、人として感情が欠如しており、冷徹な性格だったことはうかがえます。

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『罪の声』あらすじ(ネタバレあり)

罪の声 あらすじ ネタバレ

登場人物

登場人物概要
曽根 俊也京都でテーラー店を営む店主。「ギン萬事件」のテープの声が自分のものだと気づき、事件の真相を追う。
阿久津 英二大日新聞の記者。未解決事件「ギン萬事件」の真相を追う。
曽根達雄俊也の伯父。反体制的な思想を持ち、事件の計画を立案する。
生島秀樹元滋賀県警の刑事。達雄と共謀し、事件の実行に加わる。
生島望生島の娘。「声の子ども」の一人。追手から逃げる際に命を落とす。
生島聡一郎生島の息子。「声の子ども」の一人。姉の死後、各地を転々としながら逃亡生活を送る。
青木龍一金銭目的で事件に関わる経済ヤクザ。生島を殺害する。
キツネ目の男事件の実行犯グループの一人。逃げる望みを追いかけ、死に追いやる。

相関図

罪の声 相関図

あらすじ(ネタバレ)

昭和最大の未解決事件「ギン萬事件」

事件の真相は闇の中に葬られていました。しかし、2人の男が、時を超えて繋がった「声」をたどることで、事件の全貌が明らかになっていきます。

2人の男の出会い

新聞記者の阿久津英士は、未解決事件の特集記事を任されます。

彼の担当は、かつて日本中を震撼させた「ギン萬事件」。

一方、京都でテーラー店を営む曽根俊也は、父の遺品の中から古いカセットテープを発見します。

テープを再生すると、そこに録音されていたのは、事件で使われた脅迫テープの声と全く同じ、幼い自分の声でした。

自分の声が犯罪に使われていたことを知った俊也は、テープとともに入っていた謎の手帳の秘密を解き明かすため、調査を始めます。

時を超えて同じ事件を追う阿久津と俊也は、やがて互いの存在を知り、協力して真相に迫っていくことになります。

明かされる事件の真相

阿久津の取材と俊也の身辺調査が進むにつれて、事件の裏に隠された真実が明らかになります。

  • 動機と計画:事件の発端は、元警察官の生島秀樹と、俊也の伯父である曽根達雄の出会いでした。生島は警察組織に、達雄は社会と大企業に不満を抱いており、彼らはその怒りを晴らすために事件を計画しました。当初の目的は、脅迫によって株価を操作し、利益を得ることでした。
  • 「声」の秘密:事件で使われた脅迫テープの声は、俊也と、生島の姉弟である望と聡一郎の3人の子どもの声でした。俊也の声を録音したのは、学生運動に関わっていた過去を持つ俊也の母・真由美でした。達雄から協力を求められた彼女は、穏やかな生活と引き換えに、息子を犯罪に加担させていたのです。
  • 悲劇的な結末:事件は当初の目的から逸脱し、金銭目的の経済ヤクザ青木組が介入します。生島は現金強奪を企て青木組に裏切られ殺害されます。その後、青木組の追手から逃げる際に、生島の娘である望が命を落とし、弟の聡一郎は一人で逃亡生活を続けることになります。

結末とそれぞれの道

阿久津はすべての真相を突き止め、ロンドンでひっそりと暮らす達雄と対面し、事件の全貌を聞き出します。

そして、この悲劇を世間に知らせるために記事を書き、日本中に大きな反響を巻き起こします。

聡一郎は、阿久津と俊也の助けを借りて記者会見を開き、生き別れの母親との再会を果たします。

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『罪の声』感想

罪の声 感想

史実に基づいたリアリティと重厚な人間ドラマ

まず驚かされるのは、グリコ・森永事件という実際に起きた未解決事件をモチーフにした、その圧倒的なリアリティです。

膨大な量の資料を読み込み、当時の新聞記事や脅迫状の内容、そして世間の反応までが克明に再現されており、まるで自分が事件当時の日本社会にいるかのような臨場感を味わうことができます。

しかし、この小説の真の魅力は、事件そのものの謎解きだけにとどまりません。

脅迫テープに声を吹き込まれた「子どもたち」の人生に焦点を当て、彼らが時を経て、どのように「罪」と向き合っていくかが深く描かれています。

特に、テーラー店主の曽根俊也が、穏やかな日常の裏に隠された家族の秘密を知り、葛藤する姿は胸を締め付けられます。

ユク

同じように「声」を利用された、曽根俊也と望、聡一郎でしたが、たどった人生は全く違うものでしたね。

緻密に張り巡らされた伏線と結末

物語は、新聞記者・阿久津とテーラー店主・俊也という、全く異なる立場の二人の視点から進みます。

それぞれの調査が独立しているようで、少しずつ交差し、やがて一本の線に繋がっていく過程は、極上のミステリー体験です。

そして、すべての伏線が回収されるクライマックスでは、単なる犯人像の解明にとどまらず、事件に関わった人々の様々な思惑や、それぞれの人生に刻まれた悲劇が浮かび上がります。

最後のページを閉じた後も、事件の「真相」だけでなく、彼らが背負った「罪」の重みが心に残ります。

『罪の声』は、未解決事件の謎を追いながら、人間の心の闇、そして家族の愛を描き出した、読み応えのある一冊です。ミステリーファンはもちろん、重厚な人間ドラマを求めている方にもぜひ読んでもらいたい作品です。

ユク

最後の聡一郎と母、千代子が会うシーンは、涙が出そうになりました。

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『罪の声』Q&A

罪の声 Q&A
  • 望はなぜ殺された?
  • 青木の死因は?
  • 生島家の母はどうなった?
  • 映画『罪の声』に気まずいシーンはある?

望はなぜ殺された?

小説内では、望の死因は明かされていません。

望は監禁生活が嫌になり、逃げだそうと試みていました。

聡一郎と会う約束をしていた望は、約束していた場所に着く直前に、キツネ目の男に見つかり逃げ出します。

それに気づいた聡一郎は、姉を追いかけますが、血まみれになって倒れている望を見つけてしまいます。

映画では、望は男に追われて車に轢かれてなくなりました。

青木の死因は?

青木の死因は「病死」です。

曽根俊也や阿久津が事件を追う5年前に亡くなっています。

生島家の母、千代子はどうなった?

千代子の夫である生島秀樹が殺された後に、千代子と子どもの望と聡一郎は青木組に監禁されます。

その後、聡一郎は津村と事務所を放火し逃げ出します。

望も聡一郎もいなくなった後、千代子は青木組から逃げ出し、住む場所と職を転々としながら暮らします。

最終的に老人ホームで過ごしていた千代子は、聡一郎と再会。

そこで物語は終わります。

映画『罪の声』に気まずいシーンはある?

特に気まずいシーンはありません。

安心して観てください。

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『罪の声』まとめ

『罪の声』の”生島は、なぜ殺されたのか?””キツネ目の男どうなったのか?”を中心にネタバレ解説しました。

生島は、なぜ殺されたのか?

生島は青木組にとって、金を要求してくる不都合な存在となり、殺されてしまいました。

キツネ目の男どうなったのか?

キツネ目の男の男は、謎な部分が多く、最終的にどうなったのかは、描かれていません。

『罪の声』は、昭和最大の未解決事件をモチーフに、事件に翻弄された人々の人生を描いた、重厚なミステリー作品です。

単なる犯人探しに終始せず、脅迫テープに声を吹き込まれた子どもたちの「罪」と、その後の人生を丁寧に描き出しています。

事件の真相を追いかける新聞記者・阿久津と、幼い頃の自分の声が犯罪に使われたことを知るテーラー店主・曽根俊也。

二人の視点から進む物語は、過去と現在が交錯しながら、すべての謎が一本の線で結びつく瞬間に、読者に深い感動を与えます。

登場人物たちのそれぞれの人生が持つ悲劇と葛藤、そして微かに差し込む希望の光は、読了後も心に深く残ることでしょう。

ユク

物語の最後は感動的でしたね。

ミステリー好きはもちろん、人間の心の闇や家族の愛を描いた人間ドラマを求めている方にも、自信を持っておすすめできる一冊です。

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